東北大学 ソフトマテリアル研究拠点 Advanced Imaging and Modeling Center
for Soft-materials (Tohoku AIMcS)

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東北大学 ソフトマテリアル研究拠点 Advanced Imaging and Modeling Center
for Soft-materials (Tohoku AIMcS)

研究者紹介

マテリアルサイエンス/計算・解析グループ

[教授]川勝 年洋  [教授]小林 広明  [教授]大関 真之  [准教授]岸本 直樹  [准教授]小松 一彦  [准教授]山川 優樹  [助教]川越 吉晃  [助教]村島 隆浩  [研究チーム長]森田 裕史


大学院理学研究科物理学専攻

教授

川勝 年洋

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高分子多相系のマルチスケール粗視化シミュレーション

メソスケール(1-100nm程度)での不均一構造を持つ高分子材料として、高分子の多相系やフィラーとの複合系が挙げられます。これらの系のマクロ物性や流動特性を予測するためには、メソスケールの不均一構造の特徴をモデルに取り入れることが重要です。この目的のために、メソスケールの粗視化シミュレーションを軸として、ミクロ-メソ-マクロの各階層でのシミュレーションモデルを有機的に結合させたマルチスケール・シミュレーション技術の開発を行っています。

代表的な論文

Lagrangian multiscale simulation of complex flows
Yohei Morii and Toshihiro Kawakatsu; Phys. Fluids, 33 (2022) 093106.
流体粒子法で記述されたマクロな流れの各流体粒子中にミクロな分子シミュレーションを埋め込むことで、応力をその場で生成することにより高分子等の複雑流動をシミュレートする一般的な枠組みを生成した。

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Hybrid particle-field molecular dynamics simulations for dense polymer systems
Giuseppe Milano and Toshihiro Kawakatsu; J. Chem. Phys., 130 (2009) 214106.
高分子の相分離現象をシミュレートする場の理論である自己無撞着場(SCF)理論をより現実的なものとするために、SCF理論と粒子シミュレーション(分子動力学シミュレーション)を組み合わせたハイブリッドシミュレーション手法を提案し、ブロック共重合体や生体膜、ミセル、ナノフィラー等の種々のナノ構造体のシミュレーションを現実的な分子構造を用いて計算できる方法論を開発した

 

Density functional theory for polymer phase separations induced by coupling of chemical reaction and elastic stress
Yutaka Oya, Gota Kigugawa, Tomonaga Okabe and Toshihiro Kawakatsu; Adv. Theory Simulations, 5 (2022) 2100385.
架橋反応によるネットワークの生成と粘弾性効果の両方を取り入れた粗視化モデルを構築し、架橋の進行が粘弾性相分離挙動へ及ぼす影響をシミュレーションで明らかにした。


情報科学研究科

教授

小林 広明

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高性能計算機アーキテクチャに関する研究

Society 5.x時代の科学的・社会的高性能計算基盤の構築を目指して、低消費電力高性能コンピュータアーキテクチャの研究に従事している。特に、高並列・高効率ベクトル処理機構や高バンド幅メモリシステムなどこれまでのスーパーコンピュータの要素技術のさらなる高度化・高性能化をめざしつつ、量子コンピューティングなど新たな情報処理技術を取り入れた次世代高性能計算基盤に関する研究に取り組んでいる。さらに、ソフトマテリアル設計・解析など、本基盤を最大限に活用した、シミュレーション科学・データ科学融合型の新世代アプリケーションの研究開発にも取り組んでいる。

代表的な論文

Potential of a Modern Vector Supercomputer for Practical Applications – Performance Evaluation of SX-ACE
Ryusuke Egawa, Kazuhiko Komatsu, Shintaro Momose, Yoko Isobe, Akihiro Musa, Hiroyuki Takizawa, Hiroaki Kobayashi; Journal of Supercomputing 73(9) 3948-3976 2017

ベクトル型スーパーコンピュータSX-ACE向け高速化技術を考案し、様々な実用アプリケーションや国際的標準ベンチマークプログラムを用いてその性能評価を行っている。
実験結果からベクトル型スーパーコンピュータは、最新の汎用プロセッサによるシステムに比べて3.9倍〜7.2倍の実効性能を達成できることを定量的に明らかにしている。

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Real-time tsunami inundation forecast system for tsunami disaster prevention and mitigation
Akihiro Musa, Osamu Watanabe, Hiroshi Matsuoka, Hiroaki Hokari, Takuya Inoue, Yoichi Murashima, Yusaku Ohta, Ryota Hino, Shunichi Koshimura, Hiroaki Kobayashi
大規模地震発生時に、リアルタイムに津波浸水被害推計が可能なシステムの研究開発に関する論文である。GPSによる地盤変動観測と津波遡上シミュレーションをオンラインで接続し、地震発生から津波被害推計結果の可視化までを20分以内に完了できる世界初のシステムである。現在、日本沿岸すべてに対象領域を広げ、内閣府の防災システムの一部の機能として取り入れられ、365日24時間いつでも大規模地震に対応できるように社会実装されている。

 

R&D of a Quantum-Annealing Assisted Next Generation HPC Infrastructure and Its Killer Applications
Hiroaki Kobayashi; Sustained Simulation Performance 2018 and 2019, 978-3-030-39181-2, 2020.
量子コンピューティングと古典的HPCシステムを統合した新しい高性能計算基盤の設計と本計算基盤に適したシミュレーション科学・データ科学融合型アプリケーションの研究開発に関する論文である。
量子コンピューティングの中でも特に実用化が近い量子アニーリングに着目し、量子アニーリングでの高速処理が期待できる組み合わせ最適化問題向けアクセラレータとして古典的HPCシステムとの連携基盤を構築している。アプリケーションに関しては、実タービンのデジタルツイン化と最適避難経路導出をめざし、タービン内の状態から翼の摩耗状態を推計するデータのクラスタリングと多くの最短経路候補から生存者最大となる経路の組み合わせ問題の解決にそれぞれ量子アニーリングを適用することを提案している。


大学院情報科学研究科 情報基礎科学専攻

教授

大関 真之

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量子コンピューティング、量子アニーリング、情報統計力学、機械学習、スパースモデリング、量子機械学習

情報科学の中で理論的な研究スタイルをとり、数理科学や物理学の知見を生かし、情報統計力学の醸成、量子機械学習の発展、量子計算の応用を目指した研究を行ないます。
最新のコンピューティングの背後にある物理的なメカニズムで効率の良い組み合わせを探索する物理学の手法、それを翻訳する情報科学のアルゴリズムや理論へ確証や別手法から新しい視点を与える数理的な枠組み、コンピュータの中に物理法則を定め、境界条件を与えて学習をさせる機械学習などを用い、社会に役立つ現実的で新しい方法を生み出す源泉となることを目指しています。


大学院理学研究科

准教授

岸本 直樹

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量子化学計算を用いた分子反応と分子構造の理論的研究

量子力学に基づき、かつ、パラメータを用いないため高精度なエネルギー計算が確実な非経験的分子軌道法を用いた量子化学による反応経路自動探索(GRRM法)を駆使して、小分子から巨大分子系の構造、反応過程と分解過程を明らかにする研究を推進している。現在、対象としているのは、ネットワークポリマーの架橋反応過程、生体関連分子の構造、超分子金属錯体・超分子ネットワーク構造体の生成過程などである。量子化学と分子動力学法を組み合わせた、化学反応のマルチスケールシミュレーションに取り組んでいる。

代表的な論文

Observation of anisotropic interactions between metastable atoms and target molecules by two-dimensional collisional ionization electron spectroscopy
Naoki Kishimoto and Koichi Ohno; International Reviews in Physical Chemistry, 26, 93-138 (2007)
原子ビームを用いた衝突イオン化反応を利用した分子軌道と相互作用の異方性の研究。物理化学分野の世界的な総説雑誌に掲載。

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An automated and efficient conformational search of glycine and a glycine-water heterodimer both in vacuum and in aqueous solution
Naoki Kishimoto; Chemical Physics Letters, 667, 172-179 (2017).
量子化学計算によるポテンシャル面の自動探索法を用いたアミノ酸分子の配座異性体の研究。真空中のみならず、水中でのコンフォマーを自動的に計算出来るのが特長。

 

Automated exploration of isomerization and dissociation pathways of ethylene sulfide cation by the global reaction route mapping method
Takaki Tokiwa, Naoki Kishimoto, and Koichi Ohno; Chemical Physics Letters, 641, 97-103 (2015).
量子化学計算を用いた分子イオンの異性化と解離反応経路の自動探索。放射光による実験研究と比較し、Editor’s Choiceに選出された。


東北大学 サイバーサイエンスセンター

准教授

小松 一彦

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高性能計算、量子計算、データ駆動科学

スーパーコンピュータの計算機科学、機械学習によるデータ駆動科学、機械のシミュレーションによる計算科学を融合させることで新たな価値を創出する学際的な研究に取り組んでいます。さらに、計測科学によるデータ測定を高度に融合させることで、異種異分野を横断した新しいソフトマテリアル研究を目指しています。

代表的な論文

Detection of Machinery Failure Signs From Big Time-Series Data Obtained by Flow Simulation of Intermediate-Pressure Steam Turbines
Kazuhiko Komatsu, Hironori Miyazawa, Cheng Yiran, Masayuki Sato, Takashi Furusawa, Satoru Yamamoto, Hiroaki Kobayashi; Journal of Engineering for Gas Turbines and Power, 144(1):011007, January 2022.
本論文では、重要な社会基盤の一つであり、かつ内部状態の測定が難しいタービンを取り上げ、デジタルツインによりサイバー空間に緻密に作り上げ、高精度なタービンシミュレーションをスーパーコンピュータで実行する。そして、デジタルタービン内の圧力変動値を観測し、その膨大なデジタル計測データを、機械学習によってビッグデータ分析を行うことで、内部状態を高い精度で推定することに成功しており、実タービンのメンテナンスタイミングの決定や異常検知、設計・開発に資する知見を得ている。この計算機科学、データ駆動科学、計算科学の分野を横断的に連携させる新しい学際的アプローチは、タービンだけでなく、極微小な物体から超巨大な構造物など、様々な観測が困難な現実物質に応用可能であり、将来更なる研究の発展および社会への貢献が期待されている。

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Performance evaluation of a vector supercomputer SX-Aurora TSUBASA
Kazuhiko Komatsu, Shintaro Momose, Yoko Isobe, Osamu Watanabe, Akihiro Musa, Mitsuo Yokokawa, Toshikazu Aoyama, Masayuki Sato, Hiroaki Kobayashi; In Proceedings of SC18: International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis, pages 685-696, November 2018.
本論文では、ベクトル演算を主担当とするベクトルプロセッサと、そのベクトルプロセッサを制御するホストから構成されるスーパーコンピュータにおいて、ベクトルプロセッサが主プロセッサとして動作する新たなシステムアーキテクチャが、ホストと主プロセッサとのデータ転送を最小限に抑え、ユーザの高い使い勝手と高い性能の両立できることを明らかにしている。さらに、マルチベクトルコアの高い演算性能に相応の高いメモリバンド幅が、様々な科学技術計算、特に防災・減災,CFDなどのメモリ性能要求の高いアプリケーションを加速できることを示している。

 

An External Definition of the One-Hot Constraint and Fast QUBO Generation for High-Performance Combinatorial Clustering
Masahito Kumagai, Kazuhiko Komatsu, Fumiyo Takano, Takuya Araki, Masayuki Sato, Hiroaki Kobayashi; International Journal of Networking and Computing, 11(2):463-491, July 2021.
ビッグデータ分析・AIなどの分野で重要となるクラスタリングアルゴリズムを高性能化させることを目的に、アニーリングマシンを用いた新たなクラスタリングアルゴリズムを提案している。制約条件を外部で定義することにより、アニーリングマシンを用いて大規模かつ高精度なクラスタリングをしている。また、本提案手法は、高分子・複合材料開発におけるスクリーニングにも応用可能であることが示されている。


東北大学 大学院工学研究科

准教授

山川 優樹

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材料の変形・破壊・劣化特性を予測評価するための有限変形構成則の開発

ロバスト性、レジリエンス性、長寿命性を備えた社会基盤構造物の設計や維持・管理に関わる物理的・力学的課題の解決に貢献するための数理的方法論に関する研究を行っています。連続体力学、弾塑性力学、計算力学等に基づくアプローチにより、構造系の強度・安定性や材料の変形・破壊・劣化特性を合理的に予測評価するための数理モデルや数値解析法の構築と高度化を目指して、有限変形構成則とそれに関連する数値計算法の開発、材料・構造系の分岐・不安定現象の解明、社会基盤構造物の損傷機構解明と修繕技術に関する研究に取り組んでいます。

代表的な論文

Hyperelastic constitutive models for geomaterials: Extension of existing models to include finite strains and their comparison
Yamakawa Y (2022); Computers and Geotechnics, Vol. 143, 104600. [DOI: 10.1016/j.compgeo.2021.104600]
地盤材料の変形挙動を記述する数種類の超弾性モデルを定式化し、その応答を詳しく調べた。さまざまな超弾性モデルが提案されているが、その基本特性を把握することによって、地盤材料の変形挙動を再現できる合理的なモデルの構築へとつながり、正確な予測評価の実現に役立つ。

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Anisotropic subloading surface Cam-clay plasticity model with rotational hardening: Deformation gradient-based formulation for finite strain
Yamakawa Y, Hashiguchi K, Sasaki T, Higuchi M, Sato K, Kawai T, Machishima T, Iguchi T (2021); International Journal for Numerical and Analytical Methods in Geomechanics, Vol. 45, Issue 16, pp. 2321–2370. [DOI: 10.1002/nag.3268]
砂質土が繰返し載荷を受けて液状化へ至る過程でみられる変形挙動を再現する数理モデルを構築した。乗算分解型有限変形理論の枠組みで弾塑性構成則を定式化し、その効率的な数値計算を開発した。このモデルは、地震時の地盤の液状化による変形の予測評価に役立つことが期待できる。

 

Diffuse bifurcations engraving diverse shear bands in granular materials
Yamakawa Y, Ikeda K, Saiki I, Desrues J, Tanaka R J (2018); International Journal for Numerical and Analytical Methods in Geomechanics, Vol. 42, Issue 1, pp. 3–33. [DOI: 10.1002/nag.2711]
地盤材料が変形・破壊するときのせん断帯の形成要因を解明した。分岐解析という数値計算法により、三次元的な拡散分岐モードの存在を確認し、潜在する分岐現象を調べた。これにより、地盤材料の複雑な変形・破壊メカニズムの深い理解につながる。


複合材料製構造部材のマルチスケールモデリング

助教

川越 吉晃

研究室ホームページ

複合材料製構造部材のマルチスケールモデリング

炭素繊維強化複合材料(CFRP)は軽量かつ高強度という優れた特性を有しており、航空機への適用が進められている。また、タイヤにはゴム材にフィラーを充填させることで機械的特性を向上させた複合材料が使われている。これら複合材料は、その製造工程や構造・力学特性が複雑であり、解決すべき問題が多く存在する。本研究では、母材樹脂の合成から構造部材の変形・破壊までを、原子・分子シミュレーションや連続体力学を用いてマルチスケールモデリングし、それら問題解決に取り組んでいる。

代表的な論文

Multiscale modeling of process-induced residual deformation on carbon-fiber-reinforced plastic laminate from quantum calculation to laminate scale finite-element analysis
Y Kawagoe, K Kawai, Y Kumagai, K Shirasu, G Kikugawa, T Okabe; Mechanics of Materials 170, 104332, (2022)
量子化学計算(電子スケール)、分子動力学法(分子スケール)、2スケール有限要素法(µmスケール〜cmスケール)を連携したマルチスケールモデリングによって炭素繊維強化複合材料の成型時変形を高精度に予測。

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Thermoset resin curing simulation using quantum-chemical reaction path calculation and dissipative particle dynamics
Y Kawagoe, G Kikugawa, K Shirasu, T Okabe; Soft Matter 17, 6707-6717, (2021)
量子化学計算、分子動力学法、散逸粒子動力学法を連携し、熱硬化性樹脂の硬化プロセスの高速・高精度シミュレーション手法を構築。

 

Cross-Plane and In-Plane Heat Conductions in Layer-by-Layer Membrane: Molecular Dynamics Study
Y Kawagoe, D Surblys, H Matsubara, G Kikugawa, T Ohara; Langmuir 36 (23), 6482-6493, (2020)
ポリカチオン、ポリアニオンの交互累積膜(LbL膜)内の熱輸送特性を分子動力学法を用いて解析し、その主要熱輸送経路を解明。


理学研究科

助教

村島 隆浩

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レオロジー、非平衡分子動力学、マルチスケールシミュレーション

主として高分子レオロジーの研究を行っている。分子動力学シミュレーションを用いて、平衡粘弾性などの線形レオロジー解析や、せん断、伸長変形下の非線形レオロジー解析を行い、ミクロスケールの分子ダイナミクスがマクロスケールの物性に及ぼす影響について探求している。また連続体シミュレーション(流体粒子法、有限要素法)と分子動力学シミュレーションを組み合わせたマルチスケールシミュレーションの研究も鋭意推進している。

代表的な論文

Viscosity Overshoot in Biaxial Elongational Flow: Coarse-Grained Molecular Dynamics Simulation of Ring-Linear Polymer Mixtures
Takahiro Murashima, Katsumi Hagita, Toshihiro Kawakatsu; Macromolecules, 54, 7210 (2021)

環状鎖と線状鎖を混合した溶融体を圧縮(二軸伸長)すると応力がオーバーシュートすることを発見した。
環状鎖を添加することによる物性への寄与を明らかにすることは新材料開発の指針として役立つ。

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Coupling Finite Element Method with Large Scale Atomic/Molecular Massively Parallel Simulator (LAMMPS) for Hierarchical Multiscale Simulations
Takahiro Murashima, Shingo Urata, Shaofan Li; European Physical Journal B, 92, 211 (2019)
有限要素法と分子動力学シミュレーションを接続したマルチスケールシミュレーションを開発し、高分子材料のネッキング挙動を再現した。
この方法は応力とひずみの構成関係式を分子動力学シミュレーションで代用するため、任意の材料についてシミュレーションすることが可能な方法である。

 

Elongational Viscosity of Weakly Entangled Polymer Melt via Coarse-Grained Molecular Dynamics Simulation
Takahiro Murashima, Katsumi Hagita, Toshihiro Kawakatsu; Nihon Reoroji Gakkaishi, 46, 207 (2018)

分子動力学シミュレーションで大伸長変形を可能にする方法を開発し、様々な伸長流動下の高分子溶融体の定常状態を解析した。
この方法を用いて解析することで、高速な大変形が生じる伸長(圧縮)成形プロセスの分子レベルでの理解に役立つ。


(国研)産業技術総合研究所

研究チーム長

森田 裕史

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高分子等のソフトマテリアル材料は階層構造を取っており、構造・物性共に複雑な要素が多い材料となっています。我々のグループは、高分子の粗視化モデルを用いたシミュレーション研究、及びインフォマティクス技術を用いた解析研究を行っています。前者では、ゴム・エラストマー・プラスチック等の高分子材料の力学特性や相分離構造等を対象に、シミュレーションを用いて研究しています。後者では、高分子の高次構造における特徴量を数学・インフォマティクス技術を用いて解析し、力学特性等の物性との関係性について研究しています。