東北大学 ソフトマテリアル研究拠点 Advanced Imaging and Modeling Center
for Soft-materials (Tohoku AIMcS)

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東北大学 ソフトマテリアル研究拠点 Advanced Imaging and Modeling Center
for Soft-materials (Tohoku AIMcS)

研究者紹介

社会連携グループ

[教授]岡部 朋永


岡部 朋永

ソフトマテリアル研究拠点 副代表
東北大学 大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻

教授

岡部 朋永

研究室ホームページ

炭素繊維強化複合材料のマルチスケールモデリングとマテリアルインフォマティクスへの応用

計算機性能の向上に伴い、炭素繊維強化複合材料に関して、原子・分子スケールから最終製品までの階層構造を包括的に議論できるようになってきている。また、実験や計測によって測定された各種物性との定量的な比較も可能となってきている。そこで、それら階層構造を一括して議論するマルチスケールモデリング研究を推進するとともに、近年関心を集めているマテリアルインフォマティクスへの応用についても取り組んでいる。

代表的な論文

Continuum damage mechanics modeling of composite laminates including transverse cracks
Tomonaga Okabe, Sota Onodera, Yuta Kumagai and Yoshiko Nagumo; International Journal of Damage Mechanics, 27, 6 (2018) 877-895
本研究では、横き裂を含む複合材料積層板の剛性低下を予測するための連続体損傷力学モデルを、き裂密度の関数として定式化した。モデルを定式化するために、まず、横き裂を含む積層板の繊維に垂直な方向における損傷変数を導出する。この損傷変数は、等方性の平面ひずみ場を仮定したモデルによって導き出され、比較のためにGudmundson-Zangモデルを使用する。次に、村上らによって提案されたひずみ等価原理に基づく有効コンプライアンスと古典的積層理論を用いて、任意のレイアップ構成の積層板の弾性係数を損傷変数の関数として定式化する。最後に、このモデルから得られた結果を、先行研究で報告されている有限要素解析と比較する。本論文で提案するモデルは,横き裂(または表面き裂)による損傷を含む積層板の剛性を,プライの機械的特性とレイアップ構成のみから予測することができる。

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Curing reaction of epoxy resin composed of mixed base resin and curing agent: Experiments and molecular simulation
Tomonaga Okabe, Tomohiro Takehara, Keisuke Inose, Noriyuki Hirano, Masaaki Nishikawa, Takuya Uehara; Polymer 54 (2013) 4660-4668.
本研究では,ベース樹脂と硬化剤およびその混合物が硬化特性に及ぼす影響について,実験と分子シミュレーションにより検討した。エポキシ樹脂の硬化実験では,示差走査熱量計(DSC)を用いて,硬化剤と主剤の混合による転化量を求めた。分子軌道法(MO)と分子動力学法(MD)を用いて、硬化反応を分子スケールでシミュレーションし、樹脂組成の違いが硬化特性に与える影響を検討しました。このシミュレーションでは、硬化反応における活性化エネルギー、生成熱、分極を考慮した。このシミュレーションは、実験によって得られた硬化反応の傾向を捉えています。エポキシ樹脂の硬化特性を制御する場合、硬化剤の選択と混合が非常に重要であることがわかりました。

 

Numerical method for failure simulation of unidirectional fiber-reinforced composites with spring element model
T. Okabe, H. Sekine, K. Ishii, M. Nishikawa, N. Takeda; Composites Science and Technology 65 (2005) 921-933.
本研究では,バネ要素モデル(SEM)を用いた一方向繊維強化複合材料の破壊の解析・シミュレーションのための数値手法を提案する。この手法で計算した応力分布を3次元有限要素法(FEM)の応力分布と比較する。この方法による破損をシミュレートするためにモンテカルロシミュレーションを行った。計算効率については、我々の従来のSLMと比較して議論する。さらに、構造解析のための互換性を示すために、ハイブリッド(SEM/FEM)解析を実証する。本手法は、損傷した複合材料の破損過程をシミュレーションし、解析する上で、正確かつ効率的であることがわかった。