設備紹介 FACILITY
クライオ電子顕微鏡(Cryogenic Electron Microscopy)
クライオ電子顕微鏡(通称クライオ電顕)とは、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope; TEM)をベースに、液体窒素等で冷却した試料に電子線を照射して観察する装置です。溶液中に分散しているタンパク質等の生体分子の観察に適しています。
生体分子の水溶液を急速凍結することで非晶質の氷に覆われた薄膜にし、液体窒素等で冷却した試料ステージ上で低温に保持したまま電子線を照射し、電子顕微鏡像を撮影します。最近タンパク質の3次元構造を目にしますが、これはクライオ電顕で多数撮影した画像(下図)を平均化処理し3次元構造へと再構築する手法(単粒子解析法)によるものです。
東北大学多元物質科学研究所に導入されたCRYO ARMTM 300Ⅱは、安定性の向上・最適な電子ビーム制御により、高速で高品質な画像データを取得できる装置です。